名古屋大学 Global Discussion 2017

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8月21日(月)・22日(火)

名古屋大学主催の「Global Discussion 2017」に本校から4年生4名が参加しました。今年で4回目となる「Global Discussion」は、全国から集まった高校生たちが、名古屋大学在学の外国人留学生のサポートを受けつつ、グローバルな課題について英語で話し合うイベントです。今年の討論テーマは「自由主義経済と保護主義経済の衝突 -日本はどうあるべきか-」という高度な専門的知識を必要とするものでした。そのため生徒たちは当初ややとまどっていたものの、「インターネット社会で保護主義経済が進んだとしたら、消費者として海外のエンターテイメントビジネスをどのように楽しむことができるか? また、政府としてどのように取り締まることができるか?」「コンビニおにぎりを国内産の材料のみまたは海外産の材料のみで企画・販売した場合、どのような影響(メリット・デメリット)が考えられるか?」など具体的事例に沿って話し合うことで、考えを深めることができたようです。多様な国籍の留学生たちによる自由貿易協定の交渉場面のロールプレイや、名古屋大学経済学部の教授による講義が随所に挟み込まれ、質の高いプログラムでした。本校生はチームリーダーとなって頑張り、イベントを中心となって運営されている名古屋大学経済学部土井康裕先生に「学芸大附属国際生徒はディスカッションを進めていく力がある」と評価していただくことができました。

nagoya

<生徒の感想>

 今回、私は名古屋大学global discussionに参加し、そこでのディスカッションのテーマが「自由主義経済と保護主義経済の衝突―日本はどうあるべきか―」であった。このテーマ自体が日本語で話し合っても難しいくらい専門的で、ディスカッションは英語で行われたため、思うように意見を述べることができず、一日目のディスカッションは非常に苦労した。しかし、ディスカッションの本来の目的は、「多様な意見を聞くことで自分が持つ意見の視野を広げる」というものである。そして、このテーマで話し合う際に大切だったことは、誰にとってそれはいいことで誰にとってはマイナスになるのかをクリアにして整理することだ。例えば、日本人、中国人というくくりだけでなく、日本人の中の若者、お年寄り、妊婦さんなど、その中でもさまざまな立場から物事をとらえることが必要だったし、それを意識したことで二日目のディスカッションは、グループでうまく話し合いができたし、自分も積極的に発言できたと思う。

 グループごとのディスカッションの結果を、最後にプレゼンテーションした。私は当初、プレゼンテーションの意義が分かっていなかったが、やった後で、「ディスカッションで身に着けた広い視野から導き出した結論を、ディスカッションの過程と共に示すことで、有力な主張になること」を学んだ。結論を示すといっても、もう一方のメリットもきちんと説明したうえで、それでもなぜ選んだのかを示すことが、よいプレゼンだと思った。プレゼンは慣れているはずだったが、限られた時間の中で、グラフの説明を細かくしたり、魅せる工夫だったり、根拠が足りなかったりなど、まだまだ自分が思っていた以上にうまくいかなくて、客観的にみて準備することが大事だと思った。

  私にとって一番面白かったディスカッションは、インターネット社会の中保護主義経済が進んだ時に私たちにどのように影響があるのかについての問いだった。高度情報社会に住んでいる私たちにとってインターネットは生活の中で重要な役割を果たしている。そんな社会の中でもし政府がインターネットを禁止したら海外の音楽や映画を見ることができなくなってしまう。私の班ではインターネットを様々な理由で使う人がいた。例えば、ユーチューブを通して日本の文化を勉強している人や、海外の友達とやり取りするために利用している人など目的はみんな違った。一方、SNSを全く使っていない高校生もいた。このトピックのディスカッションでは、高校生の中でもインターネットの利用目的や使用頻度がそれぞれ異なることに気付かされた。私は学校の英語の授業でもマスメディアやインターネットについて話し合いをしたことがあるが、今回のディスカッションでは自分と全く違うユニークな考えを持つ高校生に出会うことができたと感じる。